2007年4月9日月曜日

問い

 問われた。
 なぜ大学院に行くのか。
 その問いにすぐに答えられなかった。
 何かを言わなければと思い、口を開いた。
 本性が出た。
 後ろ向きな考えだと言われた。

 後になって悔しくなった。
 なぜあんなことを言ったのか。言われたのか。
 腹が立った。
 これをやりたいというものがない自分に。
 悲しかった。
 明確な目標が無いまま進学を選んだ自分が。
 目標のある、夢のある、推薦の資格のないものに申し訳なく思う。
 考えているようで実は何も具体的な考えが無い。
 目的を言語化出来ない。
 自分の本当の意思は、自分が属する集合体の決まりのような暗黙の了解の中でかき消される。
 自分の意志より集合体にとって都合のいい決断をする。

 ある人はこう言った、
 自分の将来を決めつけるな、と。
 またある人は尋ねた、
 進学してやりたいことは何か、と。

 今、決めろと。

 嘘を言うことはできた。
 でもそれを口にはしなかった。
 正直でいたかった。
 私の正直は具体的な目標がないことだった。

 それでは推薦できないと言われた。
 学校の決まり。
 自分を貫くのか、
 いつかは変わるかもしれない、嘘が隠してある目標を口にするのか。
 あの時ただ一言、何々がしたいと言うだけで後に悔しい、辛い思いをしなくて済んだのに。
 自分の思いに素直でいた代償。

 進学のためだと割り切れるか。
 もっと軽い気持ちでもいいのか。

 心がかき乱された。
 こんなのでいいのか。

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