2006年8月17日木曜日

化学物質過敏症

 7月30日のブログにも書いたドキュメント番組の放送で、今回は化学物質過敏症が取り上げられていました。

 農薬の中に含まれている有機リン、新築の家に撒くシロアリ駆除剤。それらの化学物質を含んだ空気によって化学物質過敏症になってしまった人々。化学物質過敏症になると、普通の人ならなんともない少量の化学物質でも敏感に反応してしまい、頭痛や吐き気、めまい、痙攣など様々な症状が出るそうです。そして私達が普段何気なく使っている洗剤や石鹸、シャンプーや防虫剤のついた服や煙草にも敏感に反応してしまいます。見ていて、とても苦しそうでした。何も悪い事はしていないのに、なぜ苦しい思いをしなければならないのでしょう・・・。心が痛みました。化学物質のないきれいな空気さえあれば・・・。無添加の洗剤を使えば・・・。
 高濃度農薬の散布と化学物質過敏症の発症の関係がまだはっきりと立証されていないため、農薬工業会や行政は農薬散布の制限を実施していないのが現状です。
 「何種類もの厳しい試験をパスした農薬だから使える。」
 「農薬を撒かなかった日にも化学物質過敏症に似た症状を訴えた人がいた。」
と農薬工業会や行政は農薬散布制限に反論していました。

 やはり他人事です。実際に体験しないとその苦しさは分からない。私にも分かりません。私達はそんな農薬工業会や行政の主張は聞いていないんです。今、苦しんでいる人がいるんです。関係を立証する前に制限すれば、化学物質過敏症にかからなくて済む人がいるかもしれないんです。
 また、定められた農薬の試験内容が今の時代に合っていないことも考えられます。新しいものを受け入れること、過去の教訓を生かすこと。それを実践する時がまさに今なのではないでしょうか。確かに新しいものを受け入れたり、作ることは大変な労力が必要です。でも、そのために苦しむ人が増えてもいいのでしょうか。ここにもジレンマが渦巻いています。
 化学物質過敏症にかかった少女が言っていました。
 「実際に症状が出ないと分からないかもしれませんが、こんな事になる前に、化学物質過敏症について知っておけばよかった・・・。」と。

 私が見たドキュメント番組はこちら→http://www.ntv.co.jp/document/

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